今回は、
ベトナムのラッキーナンバーについて、ディープに掘り下げてみましょう。
はずせないラッキーナンバー
9 – ダントツのラッキーナンバー!!
ベトナム人にとって 9 は、他の何にも劣らない最高位の数字です。五行説の 5 と東西南北の 4 を足すと 9 になり、森羅万象すべてを網羅できるからとか、中国でも最高位の数字で、その発音が「永遠」を意味する「久」の発音 Cửu と同じだからとか、その謂れには諸説あります。
日本でも知っている人は知っている、333(バーバーバー)ビール。
これも三つの数字を足すと 9 になり、幸運を呼ぶビールと言われることもあります。
8 – 商売人には神ナンバー!?
8 は漢字で「八」。
日本ではその形状から、末広がりで縁起のいい数字と言われますが、ベトナムでは特に商売人にとってありがたい数字です。
それは、
「八」の漢越語 bát の発音が、
「発」の漢越語 phát に似ているからだそう。
phát にはお金が儲かったり幸運に巡り合うという民間信仰があります。
(※ 漢越語とは、漢語由来のベトナム語を言います)
5 – 五行説に由来するラッキーナンバー
現在の若者には当てはまらないかもしれませんが、5 も立派なラッキーナンバー。
五行説の、あらゆる物事のはじまりである五つの要素、金・木・水・火・土を表し、縁起の良い数字とされています。(五行説とは ⇒ ベトナムのじっかんじゅうにし)
アンラッキーナンバーも、もちろんあります
ラッキーナンバーがあれば、アンラッキーなほうももちろんあります。
3 – 迷信をあなどるなかれ!?
日本では、「三人で写真を撮ると真ん中の人が不幸に遭う」とよく耳にしますが、ベトナムにも似たような話があります。
それは、「三人がおなじひとつの火でタバコに火をつけると、 そのうちのひとりが不幸に遭う」というもの。
迷信と片づけてしまうのは簡単ですが、正直ちょっと怖いですよね。。
7 – 失いたくない!!
7 のベトナム語は bảy ですが、漢越語では thất です。
そして、「失」にあたるのも thất 。関係ないと分かっていても、できるなら避けたいのが心情というものなのでしょう。
ベトナム人が好きな数字の並び
日本人がスリーセブンを大好きなように、ベトナム人にも好きな数字の並びがあります。
それは上述の、9 に関係する並びと、末広がりの並び。
たとえば、1357 のような並びは右に行くに従い増えていく末広がりな並びや、1314 のように足して 9 になる並びが非常に好まれます。
また、ゾロ目も好きな人が多く、ゾロ目・9 関連・末広がりの三つの要素に加え、今回は詳しく触れませんが、風水や占いなどで縁起のよい数字を入れることが、ベトナム人にとっては数字選び際の決め手になります。
電話番号に思わず目を疑うような値段がつくのも、こうしたベトナム人の数字へのこだわりがあるからなのです。
そして、日本人もそうであるように、ベトナム人にも自分だけのラッキーナンバーを、日本人以上に多くの人が自認していて、自分の好きなナンバーにこだわる場合も多々あります。ベトナム人が、ソーデップ!( Số ! )と繰り返している場面に出くわしたら、その数字たちは高確率で、上記のラッキーな要素を備えていることでしょう。Số は「美しい数字」という意味合いで、Số tốt 「いい数字」とは言わないあたり、ベトナム人の数字にかける並々ならぬ思いが伝わってきます。
この記事は「ふむふむベトナム」の許可を得て一部加筆修正し転載しています。